せなどすブログ

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久しぶりに観た『陰陽師』が死ぬほどエロい映画だった

羽生くんが安倍晴明を演じて金メダルをとったということで、Amazonプライムで映画『陰陽師』を鑑賞。たぶん、10年ぶり3回め、とか。ふと公開年を見たらなんと2001年。もう、20年も前の映画なのかと、なんだか感慨深い。

でも、まったく色褪せることなく、というかむしろ、最近観たいろいろな映画のなかでも群を抜くおもしろさだった。

まず、キャストの豪華さは筆舌に尽くしがたい。「野村萬斎 VS 真田広之」というだけで夢のようなキャスティング。今じゃ野村萬斎ひとりに対して、長谷川博己やら竹野内豊やら石原さとみやら、日本のそうそうたる俳優陣が寄ってたかって襲いかかる始末なのにね。

後半は真田広之の独壇場。沼で骸骨を洗ってるシーンなんて背筋が寒くなるほどに、えも言われぬ迫力があった。真田広之は絶対、悪役が、いい。エロさがすごいの。おでこに刺さった矢を、めりめり頭のなかに押し込んで、口から取り出すところとか、正直ちょっとギャグなのかなって感じなのに、真田広之がやると、大マジ。気を抜くと多分笑っちゃうんだけど、広之の演技が鬼気迫ってるから普通にすげえ怖い。あと、そこはかとなくエロい。

かと言って野村萬斎も負けず劣らずエロくて。悪役の真田広之が、野太くかつ仰々しく術を唱えてるのに対して、野村萬斎は優しくささやくだけ。でもこの息遣いが非常にエロい。小泉今日子の背中に針を差して、それを口にくわえながら術を唱えるシーンなんて、本当にけしからなかった。小泉今日子が呪いに身悶えする演技も含めて、エロでしかなかった。こっちがおっぱじまっちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしてるのに、顔色ひとつ変えず、超真剣な眼差しでささやく萬斎が高貴すぎて逆にエロい。

あと伊藤英明。初々しくてエロい。演技はめちゃくちゃ下手なんだけど、この好青年が20年後には、生徒を殺しまくるサイコパスの役とか怪演しちゃうんだと思うと、移ろいゆくものの儚さを感じてエロい。実際続けて観た『陰陽師Ⅱ』では、英明の初々しさがだいぶ影を潜めてしまっていて、成長がうれしい反面ちょっとがっかりもした。

それから、出番は少ないけど萩原聖人のエロさもよかった。なんでだろう、萩原聖人ってエロさとは無縁のような涼しげな顔立ちなのになんでだかエロい。常に孤独を携えているように見える。エロい。幸薄い役とか途中で死ぬ役とかやると、寂しさが際立ってよりエロいんだけど、『陰陽師』では非業の死を遂げた悪霊とかいうハマり役だからもう存在がエロい。

最初から最後まで、抜け目なくエロい。なんだか、ものすごい映画を観てしまったなって。エロい、エロい言ってると下品に聞こえるかもしれないけど、実際は「色っぽい」とか「色気がある」っていう上品な表現の方が近い気がする。でも映画を観ているときの臨場感や胸の高鳴りは、やっぱり「エロい」の方がしっくりくるのだ。

これまで2回観てきたときも「おもしろい」とは思っていたけど「エロくてヤバい」って思ったのは今回が初めて。この映画の真骨頂は大人にならないとわからなかったのだな。とても素晴らしかった。またすぐ観たいような、またしばらく観たくないような、そんな感じ。

あとぜんぜん関係ないんだけど、萬斎が天皇の子どもの呪いを解くとき、口のなかから悪霊みたいなのが出てきて、それを小泉今日子がまた口から吸い取ってたんだけど、呪いってあれ、経口摂取なんだね。それだけちょっと、なんだかなって。

映画「陰陽師」

映画「陰陽師」