ババロア王子と私のバレンタインの記録
画像出典:Weheartit
今週のお題「バレンタインデー」
バレンタインデーに、初めて男の子にお菓子を作ったのは高校2年生のとき。
小学生のころから過激なフェミニストだった私は、男のためにお菓子作りをするなんて「けしからん」ことだと思っていた。
そんな信条が崩れ去ったのは、なんのことはない、当時の彼氏がめちゃくちゃ好きだったからである。
彼はチョコレートが食べられないという特異な人で、リクエストされたのはプリンとババロアというこれまた変わったメニューだった。
プリンはまだ、なんとなくいけそうな予感がしたけど、正直、ババロアに関しては、一体どんな代物なのか想像もつかなかった。たぶんババロアって言葉を口にしたの人生で3回目くらいだったと思う。
かくして、ほとんど生まれて初めてくらいのレベルでキッチンに立ち、プリンとババロアを作った。奇跡的に、家庭科の調理実習でヨーグルトババロアを作った後だったので、レシピはそのまま転用させていただいた。
出来は上々。いや、かなりおいしかった。(レシピどおりに作ることが何より大切だって学んだよ)肝心の彼の反応もよくて、私はとても満ち足りた気持ちになった。
結果、わたしのなかのフェミニズムは終焉を迎えた。過激派フェミニストも、イケメンの前では無力だったのである。完敗。
でも、そんな彼とは、二回目のバレンタインを迎えることなくお別れしてしまった。(めっちゃ泣いた)
そして月日がめぐって、5年後の2014年のバレンタイン。
なんと、またあのババロア王子にお菓子を献上することになった。(よりを戻した)
しかし、そのとき、彼はもはやババロア王子ではなかった。なんか、チョコ、食べられるようになってた。むしろ好きとか言ってた。
おいおい、この5年の間に何があったんだよ!
結局、その年は私が多忙すぎて(卒業公演の稽古の真っ最中だった)、市販のやつで済ませてしまったのだが。(ちなみにすごい不評だった)
市販のじゃやっぱり、がっかりさせてしまったようなので、次の年は汚名返上のために久しぶりにキッチンに立った。
しかし、私のお菓子作りのレパートリーはまったくもって変わっていなかったので、結局またもやプリンとババロア。(まあまあ好評だった)
そして、2016年、性懲りもなく、今年もババロア作るぞー!って息巻いてたら(ここへ来てババロアへの一本化を検討した理由は、プリンのカラメルソースを作るのが苦手だからである)、「チョコを溶かしてくまの型にいれて固めたやつでいい」とのことだったので、大人になるって、どんどん欲がなくなっていくことなのかなーとしみじみ思った。
17歳だったババロア王子は、もう、溶かして固めたチョコでいい25歳の大人の男なのだ。