フカキョンがダメ女役なんてぜんぜん共感できない
中身がどんなにダメだったとしても、美人をダメ女とは言っちゃいけない。
これもうね、絶対。
漫画『ダメな私に恋してください』がドラマ化!
『ダメな私に恋してください』って漫画がドラマ化されるそうです。
わたしの愛読書ですよ!
しかしねー、キャスティングがねー、もうまったく解せない。
黒沢主任役のDEAN FUJIOKAさんは、原作のイメージとはズレるけど(黒沢主任はツリ目、DEANさんはタレ目)めっちゃカッコいいし、タイプなのでいいです。
でもねー、でもねー、ミチコがフカキョンっていうのは100%違うんだよ!
ダメ女に希望を持たせてくれる物語なんです
引用:『ダメな私に恋してください』(中原アヤ)集英社
タイトルのとおり、『ダメな私に恋してください』の主人公、柴田ミチコはかなりのダメ女です。
なんてったって、職なし、男なし、金なしの3拍子だからね!
しかも、年下の彼氏(むこうは彼女だと思っていない)に貢ぎまくり。そのうえ、アイドル好きで散在しまくり。
そして30歳にもなって親に金をせびるという……。けっこうなダメっぷり。
でも、この物語の一番の魅力は、ミチコのダメさ加減なんです。
ミチコよりはマシって思いたいけど、自分もたいがいダメ女なもんで、ばっちり感情移入できちゃうんだな。
しかも、なんかもうすべてダメダメだけど、好きな人のためなら一生懸命頑張る!(そしてそれが報われるはず。だって漫画だもん!)っていうのが、リアル世界のダメ女の希望となっているんです。
とはいえもちろん漫画だから、ミチコはブスではないし、ふつうに可愛く描いてあります。でも「コイツは顔がいいからうまくいくんじゃ!」って卑屈になることはありません。
なぜなら、ミチコ以上に周りの女性たちがキラッキラッしてるから。
引用:『ダメな私に恋してください』(中原アヤ)集英社
ミチコのよき相談相手となるアネゴ、晶はスタイル抜群のモデル風美人だし、黒沢主任の思い人春子さんは、まさに正統派って感じで欠点のない鉄壁美人だし……。
引用:『ダメな私に恋してください』(中原アヤ)集英社
ついでに、2巻でミチコが就職した会社の同僚の女の子という、モブレベルのキャラもキラキラしてます。
引用:『ダメな私に恋してください』(中原アヤ)集英社
周りにいる女子のレベルが高すぎることで、ミチコがどんなに可愛くても、この世界のなかでは普通(もしくはそれ以下!)レベル。つまり、こっち側の人間なんだって思えるんです。
フカキョンが美人すぎてぜんぜん共感できない
それなのに、それなのに、フカキョンって……!
もちろん、晶役の野波麻帆さんも、春子役のミムラさんもめちゃくちゃキレイです。
でも、どう考えてもフカキョンがずば抜けてると思うんだよ。
ぜんぜん、こっち側の人じゃない。もはやもう、なにも共感できない。
職なし、男なし、金なしだろうと、美人だったらダメ女とは思えないんだよー!
だって、ただの薄幸美人じゃんか。ちょっと運が悪いだけで基本的には勝ち組じゃんか。
そりゃ、フカキョンが頑張ったら恋愛なんてチョチョイのチョイでうまくいくよー。
もちろん、映像化するにあたって、どんな女優さんが演じたって美人になっちゃうのはしょうがないですよ。
でももうちょっと普通っぽい人でもよかったんじゃないかなーと。
お気に入りの作品だっただけに、ちょっとショックです……。
「美人をダメ女と言ってはいけない」って法律あってもいいくらいだよ、もう。
ダメな私に恋してください 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
- 作者: 中原アヤ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/11/25
- メディア: Kindle版
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ちょっとGoogleで「ビッチ」って検索してみ?
年末は心身ともに瀕死の状態だったので、いまさらながらやっと2015年に書いたものを振り返るよ。
2015年は大してブログ更新してなかったんで、このブログの記事以外も含めて、印象に残ってるものをピックアップしました。
ビッチといえばせなどすって感じ?
前職のときに書いた記事。
切実な記事不足のなかけっこうサラッと書き上げたんだけど、かなりのヒット記事となりました。
久しぶりにGLITTYを覗いたら、2015年人気記事ランキング第3位にランクインしてたー!
6月に公開してからずっと、毎日かなりの数の流入があって、PVアップに貢献できたんじゃないかなーと。
なにせ「ビッチ」って単語で検索したら、1ページ目に表示されますからね。
ちょっとGoogleで「ビッチ」って検索してみ?
上から6番目に出てくるから(2016年1月6日現在)。
「1ページ目に! 表示! されたい!」ってSEO対策けっこう頑張ってる今となっては、SEOのことなんか何も考えずに書いた記事が評価されてるのは複雑だけれども。
もう「ビッチといえばせなどす」といっても過言ではないのではないだろうか!
ヒットした理由とか、SEO的に評価されてる理由にはまったく無関係だと思うけど、一応真面目に、意識した点とか振り返っておくとだね……
「ビッチ=下品な女子」って定義した
ビッチって意外と定義があやふやだよなーっと思って、とりあえずこの記事では「ビッチ=下品な女子」って決めた。
個人的に途中で論点がずれたり、言いたいことがブレたりする記事って好きじゃなくて。
でも書き出すとぜったいテーマを見失って、あっちゃこっちゃ迷子になるので、必ず書く前に「ここだけは死守する」って記事の大黒柱を決めるようにしてます。
だから「ビッチって、下品な感じするよねー。アラサーにもなってビッチだなんて言われたくないよねー」ってとこはブラさず書けたかなと。
海外ドラマっぽい"いかにも"な口調にした
元ネタは海外サイトの記事だから、翻訳(意訳)引用してる部分がけっこうあるんだけど、それをいかにもな海外ドラマ風の口調にしました。
以前、海外で仕事してる人が「日本の海外ドラマや映画の翻訳はおかしい。あんなに仰々しくしゃべらねーよ。外国人だってふつうにしゃべってんだよ」みたいな記事を書いてたの読んで「あー、たしかに!」って目からうろこ落ちたんだけど、やっぱりあのいかにもな感じ好きなんだよねー。
だから
まるでシマウマみたいにハイライトが入ってる。ママがいろんな理由で「ダメ」って言ったって聞かないのよ
出典:GLITTY
『ゴシップガール』シリーズが大好きなのよね。比べてみたら、自分の人生がどれだけ平凡なものかわかるでしょ。どうして"普通"に育てないわけ?
出典:GLITTY
「ツナはチキンなの? 魚なの? だって「海の鶏肉」って言うじゃない」......ああ、なんておバカさんなの!
出典:GLITTY
って、大げさな身振り手振りがつきそうなセリフに訳してみた。
ちょっとスレてて、常に上から目線で……ってなんか『フレンズ』にも『ゴシップ・ガール』にも『SATC』にも出てなかった?
あんまりちゃんと見てないから誰とは言えないけどさ、よくそういうキャラいない?
ちなみに「ああ、なんておバカさんなの!」が一番気に入ってる。
鼻ができた! それから恨みも晴らせた!
2015年の一大イベントだったのは、やはり鼻にヒアルロン酸を入れたことでしょう。
人生、思いきりが大事よなって改めて実感しました。
「鼻高くしたい」って長年思っていて、2回くらい美容外科のカウンセリング受けたのに、なんとなく踏みきれなかったので、今回勢いで施術できてよかったです。
ちなみに2016年は顎の骨を切って噛み合わせを治す手術をしようかなーと思ってます。
それにしても、施術後初めての洗顔で、いつもなら当たるはずのない位置で鼻に触った衝撃は忘れられません。
それから、ずっともやっとしていたことを吐き出せたのもよかったです。
振り返るとどうってことないエピソードなんですけど、嫌な思いをしたときのことって頭のなかのアルバムに、写真みたいにしっかり残っちゃってるんですよね。
そういえばあのときキムチ鍋食ってたわーって思い出せるくらい。
まあ、言い返せなかったことを4年越しに、しかもブログで言うなんて(そのうえ、たぶん一部のひとには相手が誰か特定できるし)、悪趣味かもなって思う。
でも「書きたい」って思ったことを書いたので後悔はなし!
さよなら2015年
ほかにもよさげな記事はまあまあ書いていましたが、面倒になったのであとは適当に並べときます。
話を伺ってるだけでドキドキ、ワクワクが止まらなくて、楽しいインタビューだった。
写真が上手に撮れたので、印象に残ってるなー。
こじつけ力を発揮できた。
「デジ家族会議」ってダサくていいネーミングだと思うんだけど、どう?
わたしそんなセンスよくないんだけどさ、やっぱりファッション好きなんだわー。
ハウツーっぽい部分があったり、専門家のコメントがあったり、けっこう盛りだくさん。
所感を交えつつ、自然にわかりやすく商品の特長を伝えられたと思う。
それから、最後に、自分で書いたわけじゃないけど、ディレクションした広告案件で、高校生のときからずっと大好きな菅野結以ちゃんに会えたのは、本当に感動しました。
かわいすぎて(顔面格差にショックを受けて)死ぬかと思った。
……いろいろあった2015年。振り返ってみるとなかなかおもしろい。
あと、なんかけっこうちゃんと仕事してて自分で自分にビビってる。
サエコが2000億円と益若つばさがセカオワと付き合ってるらしいけど
どんな人と付き合ってるかが、自分自身の評価につながることってあると思う。
なんか、サエコが総資産2000億の社長と、益若つばさがセカオワの人と付き合ってるらしい。
もうね、さすがサエコ。
絶対にハズさない。
年俸1000万ドルの次は資産2000億円だってよ。
かたやメジャーリーグでバンバン投げる敏腕ピッチャー、かたや600人以上の社員を率いる敏腕社長。
でもサエコはお金を持ってる男に愛されるっていうか、お金に愛されてるんだと思うよ。
一方ね、益若さん。
益若さんもサエコさんと同じでバツイチ子持ち。でもね、選ぶ相手が違い過ぎない?
セカオワの人も売れっ子だし、人気もすごいんだろうし、魅力的なんだと思う。
でも、なんか、拭い切れないダメ男感、ない?
つーちゃんって、もしかして、いやもしかしなくてもダメっぽい人好きじゃない?
益若さんはダメっぽい人が好き……?
益若さんがギャルまっさかりだったころ、わたしは純然たるポップティーン信者で、ついでにエッグも立ち読みしてたから 、どちらの雑誌でも看板モデルだった益若さんの動向はけっこう記憶してる。
益若さんが、メンズエッグモデルの梅しゃんと付き合いだしたとき、ポップティーンの誌面で大々的に発表してた。
それで、二人の馴れ初めについて語ってたわけだけど、たしか益若さんが海外で長期の撮影をしている間、梅しゃんが毎日毎日メールを入れてたと。で、帰国してから大量に届いたメールを見て心が動いたとか、そんな感じだった気がする。
ちょっとね、引いた。
最近、山本耕史の40通のラブレターも話題になったけど、梅しゃんも相当だよね。
だって、返信来ないどころか届いてすらいないメールを毎日毎日送り続ける精神って……!
私も大概ストーカー気質あるけど、それでもちょっと引いたよ。
それで心が動いたつーちゃん……察するわー。
つーちゃん、幸せになれる……?
サエコは新恋人が発覚して「さすがだな!」って思ったけど、つーちゃんは「あー、そっちいっちゃったかー」って感じ。
ただの一般人の私が売れっ子アーティストを捕まえて「ダメっぽい」なんてほんと何様のつもりだっていうのはわかってます。わかってますけど、つーちゃん好きだったからさ。
菅野結以ちゃんが大本命だったし、最初はタイプじゃないなーって思ってたけど、どんどんどんどんかわいくなってくつーちゃんを誌面で追ってるうちに、最終的には好きになってたからさ。
本当に、幸せになれるの……?ってちょっと心配。なんかほら、メンヘラっていうの? 中二病っていうの? だってその人、トランシーバーで歌っちゃうんだよ……。
どんな人と付き合うかって、自分自身の評価にもやっぱり関わっちゃうと思うんだ。
まあ、好きになっちゃったら仕方ないんだろうけどね。
付き合ってる人次第で印象変わっちゃうってあるよね
4年前くらい、私がカッコいいなって思ってた男の先輩に、大正時代の書生さんみたいな、文学青年っぽい人がいたのね。
ちょっとお堅い雰囲気で、禁欲的というか、ストイックな感じで、密かに素敵だなーと思ってたんだけど、彼女がね、まさかの顔はめちゃくちゃかわいいけど、すっごいバカっぽいってタイプの人だった。
えー、あのストイックな感じ、うそだったの?って勝手に騙された気になって幻滅したよ。
その彼女自体はすっごくいい人だし、天真爛漫な人懐っこい感じで、顔もめっちゃかわいくて、好きだったんだけどね。
ただものすっごい勝手だけど「そのチョイスは違くね?」って思った。
おかげで、先輩がストイックに悩んでる様子とか見ても、彼女と二人のときはあのテンションでラブラブしてんのかなーって思うと、なんか滑稽に見えるようになっちゃったよね。
だから、どんな人と付き合うかで、自分の評価が変わるって、やっぱりあるなーって思う。
かくいう私はというと、彼氏の会社のすぐ近くに引っ越してきたとか、別れ話すると包丁出てくるとか、彼の同僚の間では「あいつメンヘラと付き合ってるらしいぞ」ってもっぱらのうわさらしい。
まじでごめん。
サンタさんへの手紙にパパとママの悪口をびっしり書いて送った話
私もとうとう、クリスマスに心躍らない大人になってしまった。
悲しい。とても悲しい……。
せめてもの慰みにコンビニで買ったチキンを食べてたら、ふと、小学生のころサンタさんに宛てて書いた手紙について思い出した。
喉から手が出るほどほしかったケータイ
小学校の高学年になると、周りの同級生たちがこぞってケータイを持ちだした。
うらやましい、というか妬ましかったし、仕切りたがりで目立ちたがりだった私は、自分がケータイを持っていないことに焦りを感じていた。
さらに、女子コミュニティのおそろしいところで、みんなが持っているものを持っていないことは、それだけで仲間はずれの理由になるのだ。
このままじゃハブられる……!
私は両親に毎日のようにケータイをねだった。ケータイ、ケータイ、ケータイ。寝ても覚めてもケータイのことばかり考えていたので、ことあるごとに「ケータイ買って」って言ってた。
そして、どんなにしつこくねだっても買ってくれないのがうちの親である。
よく驚かれるけれど、うちの親はけっこう厳しい。小学生のころ、私は漫画を読むことを禁止されていたほどだ。
そうだ、サンタさんに頼めばいいんだ!
「ケータイカッテ」がまるで呪文のようになってきたころ、「そうだ、サンタさんに頼めばいいんだ!」と思いついた。
べつに、クリスマスが迫っていたわけではなかったけれど、うちの親を説得するより、サンタさんに頼んだほうが、ずっと確実だと思ったのだ。
ただ、子どもの味方であるサンタさんとはいえ「ケータイは子どもにはまだ早いじゃろ」と言われてしまう懸念があった。
そこで自分がケータイを持っていないことでどれだけ辛い思いをしているのかを伝えるために、手紙を書くことにした。
何度も何度も書き直しと推敲を重ねて、クリスマス前にはけっこうな大作になっていた。
その内容は、同級生の女子のなかで一番最初にケータイを手に入れたリーダー格の子がいかにおそろしいかということや、ケータイを持っていないことで自分がハブられる危機に瀕しているということ。
それから、自分の両親の悪口である。
全体の分量は、こちらの方が断然多かった。私がサンタさんに送ろうと思っていた手紙にはパパとママの悪口がびっしり書かれていた。
ケータイを買ってくれない両親はわたしがハブられてもいいんだとか、父も母も妹ばかりかまって私を愛していないんだとか、とにかく自己愛をこじらせた悲劇のヒロインエピソードを書き連ねた。
さすがに詳細は覚えていないけれど、けっこうひどいことを書いたと思う。私はサンタさんに同情してほしかったのだ。
そうすれば優しいサンタさんは私の願いを聞いて、ケータイをプレゼントしてくれるはずだと思った。
書き上げた手紙は、パパとママに見られないようにツリーの下に隠した。うちはサンタさんへの手紙はツリーの下に置くシステムだった。私のなかでは、そうすれば、手紙の内容がサンタさんに伝わるということになっていた。
サンタさんはどこまでもファンタジーなのである。
サンタさんのセンスが違うのはなぜか
クリスマスが目前に迫ると、校内はサンタさんの話題でもちきりだ。
みんなで話していると、今年は何を頼んだかはもちろん、これまでもらってきたプレゼントについても話が及ぶ。
毎年ゲームをもらっている子もいれば、本やら辞書やらのお勉強アイテムばかりもらっている子、ルーズソックスや厚底シューズなんて小学生らしからぬものをもらったという子もいた。
それぞれまったく違うラインナップに「サンタさんはさすがだな」なんて感心していた私に、となりのユキちゃんがこそっと耳打ちした。
「さすがミナのママだね」
「ん?」と思った。ママ?
ミナとは、サンタさんにルーズソックスや厚底シューズをもらったという子だ。 そしてミナのママは、ヤンママと揶揄されるほど派手な見た目をしていた。
ユキちゃんは、周りの子よりずっと大人びている子だった。すでに眉毛はキレイに整っていたし、唇はグロスでツヤツヤしていた。
子どもっぽくて、眉毛のかたちを整えるなんて発想すらなかった私は、ユキちゃんに憧れていて、いつもくっついて歩いていた。
ユキちゃんは、すでにサンタさんの真実を知っていたのだろう。
そして、ユキちゃんに憧れて、大人っぽく振舞っている私も、サンタさんの真実を知るひとりだと思われたのだ。
だから、秘密を共有するように私だけにこっそり話しかけたんだろう。
でも、私はこのときまで、サンタの存在をまったく疑ったことがなかった。いや、もしかしたら少し疑念はあったのかもしれない。でも、半信半疑にも満たない、小指の先ほどのものだ。
それが、ユキちゃんのひと言をきっかけに「サンタさん=パパとママ」という疑念がむくむくと膨らんでいった。
サンタさんはいるのか、人知れず始まった実証
家に帰ってツリーを確認すると、私の手紙はまだそこにあった。
もし、本当にサンタさんがいなかったら……?
この手紙をパパとママに読まれたらまずいんじゃないか。
というか、本当にサンタさんがいないなら、ケータイなんてねだるだけムダだ。
でも、でも、でも……。
まだサンタさんの存在を完全に信じていないわけではなかった。半信半疑だったと思う。
サンタさんは本当にいるのか、いないのか……。
私は人知れず実証してみることにした。
手紙はこのまま置いておく。クリスマスの朝、ケータイがあったらサンタさんはいる、なかったらサンタさんはいない……。
その年のクリスマスイヴはいつも以上にドキドキしながら眠りについた。
サンタさんの正体
クリスマスの朝、目が覚めるとすぐ足元を確認する。うちは枕元ではなく、足元にプレゼントが置かれているスタイルだったのだ。
そこにあったプレゼントが、ケータイではないことは明らかだった。あまりにも薄すぎるのだ。
その瞬間すべてを悟った。サンタさんの真実を知ってしまった瞬間だった。
ケータイの代わりは、浜崎あゆみのベストアルバムだった。これはこれでうれしかったけれど、なんだか複雑な気持ちだった。
そして、プレゼントと一緒にサンタさんから手紙の返事も届いていた。
便箋5枚という超大作を送ったにもかかわらず、その返事はたったふた言。
「メリークリスマス。君のパパとママはいつでも君の味方でいてくれるよ」
その筆跡はまぎれもなくママのものだった。振り返ってみれば、これまでもらったサンタさんの手紙の文字は、すべてママのそれにそっくりだ。
サンタさんの正体に気付いたとき、ひどい罪悪感に襲われた。
あんな手紙書かなきゃよかった。
「プレゼントなんだった?」
「あゆのアルバム。超うれしい!」
本当はそこまでうれしくなかったけど、せめてもの償いにすごくよろこんでいるフリをした。
あの手紙を読んで、ママはきっと泣いただろうな。
今にして思うと、切ないような、申し訳ないような、なんともいえない気持ちになる。
あ、ちなみに今年は洗濯乾燥機がほしいです、サンタさん。
だからお前はブスなんだって4年越しに言ってやりたい
鼻にヒアルロン酸を入れてきた。
鏡を見るたびに「わー、鼻がある……!」と感動し続けている。
ずっと、自分の鼻が嫌いだった。
横顔を見られるのが本当にイヤで、人が真横に立っているとすごくストレスを感じていた。
でも、施術を受けてから自分の横顔を見るのが楽しくて仕方ない。
なんてったって、ずーっと「ここに鼻筋があったらどんなにいいか……」と思っていたその場所に、鼻筋ができたのだから。
施術を受けるのはほぼ勢いで決まったんだけど、内心すごく葛藤した。
ずっと「整形したい」と思ってはいたけど、いざ本当にやるとなると、顔を変えたら急に何かがおかしくなってしまうような気がした。
とはいえ、いまは本当にやってよかったと思ってる。それから、ヒアルロン酸が身体に吸収されたら、また入れにいくとすでに決めている。
正直、けっこう痛かったんだけど、そんなの余裕で我慢できるくらい、施術をしてからの幸福感がやばいのだ。
美容整形の"ハードル"は年々下がってきているらしい。実際にやってみた身として思うのは、それはたぶんいいことだということ。
鏡を見る時間が楽しくなるだけで、トータル1日1時間くらい明るい気持ちになれる。
1週間なら7時間、1か月なら30時間。閉塞感漂う世の中で、それってけっこうすごいことじゃなかろうか。
大学生のころ私は毎日、"自分史上最高可愛い"を更新するのに躍起になっていた。
バイト代はすべて、洋服と化粧品、月1回の美容院と2週間に1回のまつエクに消えた。
食費をまかなうほどのお金がなくて、実家の冷蔵庫から冷凍の今川焼をくすねて食べていた。
そんな生活をしていたとき、大学の同期の女の子に嫌味を言われたことがある。
裏でもすごい悪口を言われていたと、共通の友だちがわざわざ教えてくれた。
私は、自分の外見のために時間やお金を使うことを、別に普通のことだと思っていた。
でもそれは「実家暮らしのお嬢様はいいよね」という嫌味や、「あいつは金が湯水のように湧いてくると思ってる」という陰口をたたかれることだったらしい。
そのとき、他人のキレイになりたいという努力を否定するなんて「だからお前はブスなんだ」って言ってやりたかったけど、もしかしたら私が間違っているのかもしれないと、なんだ自信がなくなったのを覚えている。
そのあと、なんとなく「時間とお金をかけてキレイになろうとすること=悪」みたいな感覚が少し芽生えた。実は、彼女に言われたことがけっこう心にぐさっときていた。
それから4年近くたって、「美容整形を受ける」という事実を前にしたとき、このことを鮮明に思い出した。
いま、彼女とはぜんぜん連絡をとっていないけど、周りの人はもしかしたらみんな彼女と同じ反応をするかもしれない。
1番心配なのは彼氏の反応だった。整形した女なんてイヤだって振られるんじゃないか。
先生に「ヒアルロン酸入れてきますか?」って言われて、「はい!」と答えるまでたぶん1秒もかからなかったけど、頭のなかでは一瞬のうちにものすっごい葛藤を繰り広げてたわけだ。
結局「いい記事書くためには、自分の身体で感じなきゃ」という職業人的判断でやってもらった。
でも、何度も言うけど、ひとりの女性としても、本当にやってよかったと思う。
というかやっぱり、キレイになるためにやる努力のひとつだもん。いま考えると何を迷っていたのかわからない。
もちろん、リスクもたくさんあるので、どんどん整形しちゃえよって無責任なことは言えない。
でも、自分がやりたいと思うなら、周りの目はぜんぜん気にしなくていいと思う。
後ろめたいと思うことはなにもない。男でも女でも、美しくなりたいってたぶん自然な欲求だ。
それを確信できたいまだから、改めてあのときの彼女に言いたい。
人の努力を否定することしかできない、だからお前はいつまでたってもブスなんだって。
「ここまでやるか」って女に私はなりたい|映画『ゴーン・ガール』
※ ネタバレあり
今さらながら『ゴーン・ガール』を観た。
基本的にあんまり洋画好きじゃないんだけど、
かれこれ6年以上の付き合いになる、わたしの数少ない友達「おのさん」が、「『ゴーン・ガール』に出てくる奥さんがせなどすに似とる」って言うからこれは観ないわけにはいかないぞと。
さっそくTSUTAYAで借りました。
ストーリー構成が神
で、観終わった感想ですが、もうね、すごい。
何がすごいって、あっと驚くようなストーリー構成。
思いっきりのめり込んでしまった。
おおまかなあらすじは......
ニックとエイミーは誰もがうらやむ幸せな夫婦。しかし、結婚5周年の記念日、エイミーが謎の失踪を遂げる。ふたりの過去がどんどん暴かれていくとともに、ニックは妻殺しの疑いをかけられる。
というもの。
物語の前半は、主人公であるはずの夫、ニックへの敵意と不信感がどんどん募っていくように作られています。
出会って、付き合って、結婚するまで、彼は完璧な恋人だった。愛にあふれてるし、いつも守ってくれる王子様みたいな。
それなのに!
結婚してしばらく経つと、仕事をクビになるわ、若い女と浮気をするわ、もう散々。
しかも、エリートでシティガールのエイミーを、自分の地元の片田舎に連れて帰っておいて。
女のわたしからすると「エイミーがかわいそう。こんな男捨てられて当然」という感じ。
映画のなかでも、周囲のニックに対する評判は最悪で、妻殺しの疑いまでかけられてしまいます。
随所に散りばめられた過去の回想は、エイミーの日記を彼女が読んでいる設定。だから、観ている方は主人公のニックよりエイミーに感情移入するはず。
もはや、主人公はエイミーで、ニックこそが諸悪の根源。エイミーは失踪したんじゃなくて、ニックに殺された。
それがこの物語の真実......と信じきったところで大どんでん返しが待っていたんです。
大どんでん返しに引き込まれる
なんと、エイミーは生きていました。
ここからがこの映画の真骨頂。物語が一気に逆転していくのが最高にスリリングでおもしろい。
この失踪劇は、自分をないがしろにしたニックへの復讐として、彼を殺人犯に仕立て上げようとした、エイミーによる自作自演の狂言。
しかも物語の舞台、ミズーリ州には死刑制度がある......。
エイミーは自分の夫を合法的に殺すため、ニックに容疑がかかるように完璧な偽装工作をしていました。
その偽装工作がもうほんと狂気的。
妊娠を偽装するために、近所の妊婦の尿を採取したり、ニックに殺人容疑がかかるよう、自分の血を抜いて床にまいたり......。
前半で感情移入していたはずのエイミーがどんどん遠い存在になっていって、最終的には「この女、怖すぎる......」に変わってる。
ついさっきまで憎んでいたニックがとても気の毒に思えてきます。
この映画のすごいところはまさにこの振り幅。最低のダメ男だったニックが、気の毒な一市民に変わり、かわいそうなエミリーが、狂気的な恐ろしい女に変わる......。
自分の感情がこんなに大幅にかき乱されることってそうない。久しぶりに本当におもしろい映画を観たって感じでした。
「ここまでやるか」って女になりたい
狂気的な完璧主義者エイミーに「ここまでやる!?」とドン引きしてしまったのは事実。
でも同時に、なんだかちょっと憧れのようなものを感じてしまった。
「私の人生は完璧でなければいけない」っていう強い信念みたいなものが、行き過ぎてて怖いんだけど、どこかカッコよく思えた。
自分の人生は自分だけのものだもの。自分の好きなように演出しなくちゃ。
何事も「ここまでやるか」ってくらい突き詰められる女になりたいと、すっかり感化されてしまいました。
沖縄旅行備忘録
先日、夏休みをとって沖縄に行ってきました。
3年前とまったく同じメンツで、まったく同じホテルに泊まるという省エネプラン。
ホテルは、目と鼻の先に海があって、歩いてビーチに出られるという最高の立地です。
バーベキューとかフェスとか、山のイベントは大嫌いな私ですが、海で遊ぶのはけっこう好き。もちろん、入っても身体がベタベタしないキレイな海に限るけど。
前回、バナナボートに乗ったのがとても楽しかったので、今回はさらにアクティビティを追加。
スーパーマーブルという丸いやつに乗ったり、シュノーケリングに挑戦したりしました。
スーパーマーブルはバナナボートと同じように水上バイクに引っ張ってもらいます。これが、とてつもなく恐ろしい乗り物で、カーブしたり波に乗り上げたりするたびにおしりがめっちゃ浮くんです。
ライフジャケットを着てるとはいえ、沖の方までいくと「ここで投げ出されたらやばい」と本能が言ってました。もう無我夢中で必死にしがみついたよね。
とはいえ、海とか空とか、だだっ広い空間のなかをワーキャー言いながら駆け抜けていくのは、爽快感たっぷり。
あ、これいま完全にリフレッシュされてるなって実感できました。
そして、なにより楽しかったのがシュノーケリング。
カラフルな魚をたくさん見ました。海のなかはすごく静かで、時間がゆっくり流れてるような気がした。ヒーリング効果すごい。
夢中になってのぞきこんでたら、鼻と口に海水がグゴゴゴゴッて入ってきて人知れず溺れかけたけど、ぜんぜんへっちゃらってくらい魅了されてた。
これまで、わざわざダイビングのライセンスなんてとっちゃう人に対して「意味わからん」って思ってたけど、初めて納得。これははまるね。
それから、プールにぷかぷか浮かんでるだけの時間も癒しのひととき。いい天気だったので、身体いっぱいに陽の光を浴びて、こんがり焼けました 。
夜は、部屋でトランプ祭り。大富豪とセブンブリッジをやった。
いつも思うんだけど、トランプってどうやったら強くなるの? 負けすぎると地味に落ち込む。
水のなかにいた時間が長いと、夜眠るとき、身体がゆらゆら水面に揺られてるような錯覚におちいる。あの感覚がとても好きです。
人は水と触れ合うと、心が癒されるんでしょう。
忙しい日々に荒んでいた心がすっかり洗われた旅行でした。
とはいえ、心の浄化と身体の回復はまったくリンクしていないようです。
間違いなく心はリフレッシュされたけど、帰ってきてからの一週間は本当にキツかった。
のんびりできたとはいえ、海にプールに飛行機に、確実に体力は使っていたので、実際のところ休みがないのと同じでした。
これからは、帰って来た次の日から仕事なんか絶対にしない。ちゃんともう一日休む。
どうせ、大寝坊して半休とるはめになるんだから。
とりあえず、 一番言いたかったのはこれです。
寝坊してすみませんでした。